元気通信#157「鹿児島盛経塾」

  「鹿児島盛経塾」(稲盛和夫塾長の盛和塾の後継)に入塾して1年に満たない。稲盛氏が塾長の頃は、機関誌「盛和塾」(通算156号)を毎週1冊ずつ読んでいて「こういう雰囲気なんだ」と、その熱気たるや凄いものを感じ、自分に落とし込んでいる途上だ。先日の2人の塾生の「経営問答」に対する顧問の問答のやり取りに「これは凄い!」とあらためて感動した。

 まず、自社の決算書を塾生に見せるところがこれまで所属した経営者団体では考えられないところだ。それに添って会社の概要や問題点を当日の塾生が説明し経営上の悩みを打ち明け、それに対して2名の顧問が応え、他の塾生たちはそれを聞いて学ぶ、という形式だ。第3者に対して内情を吐露することはなかなか出来るものではなく、それに対し顧問が問題点を直球で指摘する、私はこれが本物だと感じた。現在はコロナ禍で「ZOOM」開催なのでこれで終わりだが、その後はコンパがあって経営者同士の侃々諤々の熱い議論が交わされるのが通例だったらしい。

 昔から「盛和塾」の存在は知っていたが、お誘いもなく(全く受け身)、稲盛和夫氏の本を購読して分かったような気になっていた私は、「これでも経営をやれる」と見くびっていたようだ。ところが経営環境が悪化する中での「コロナ禍」で万事休す。経営者人生20年にして初めて「悪夢」を経験し、考え方を一新した。もう一度やり直し!「強靭な会社」を見届けるまでは絶対に死ねない!

 過去の私は「コロナ禍で一度死んだ」。息を吹き返した私は人生を賭して自社の再起を期した。入塾して「盛和塾」の学び「心を高める、経営を伸ばす」を一から学び、何としてでも「強靭な会社」に再興し、「従業員の生活の未来を守り、鹿児島を健全な介護福祉業界にして社会に貢献したい」と思って、四六時中経営のことばかり考え活動している。もう私の逃げ場はない。

 ところで今回は2つのことを学んだ。一つは「現状で赤字の場合、まず経費の見直し」。これは弊社の危機から学んだ「先利後資(私の造語)・・・まず利益を上げ、その後で投資する」に通じるもので、後はまだ未経験である「潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望」を実現するための「誰にも負けない努力」が必要だ。もう一つは中小企業でよく見かける家族の問題。

企業経営は厳しく一枚岩であるべきで、甘い親子兄弟の情は災いの素である」と言うこと。これについては幸い弊社は後継者はいるので、時期の問題である。後は弊社の「経営理念」や「10年ビジョン」の実現に向け、私の学びだけでなく、後継者である息子を早く現場から一歩経営者の道を歩める環境を作り、常にプレイングマネジャーとして盛経塾で思い切り学んで欲しい。


2021・2
山田の凱旋門(姶良市)

雄ちゃんの今昔物語 VOL,91

「Come Come Everybody」より

 毎朝朝食時、決まって朝ドラを見る習慣がついている。BS3、現在は7:30より「Come Come Everybody」だが、主人公が3代にわたり変わる、珍しい展開だ。それだけどんどん進んで行き、あれはどうなった?と思うことが実に多いドラマだ。

 初代・安子がアメリカに渡ってその後どうなったの? 2代目・るいの旦那ジョーが、トランペットを吹けなくなりいつ復活するのか?と思いきや、ずっとそのまま。そう言えばキジマ繊維や次男の今は? 最近では竹村クリーニング店と竹村夫妻は今? 言い出したら切りがない。分かったのは、世良公則の喫茶店店主が亡くなったことだけだ。

 特に初代安子と2代目るいを引き離すきっかけを作った「算太」の責任は大きいだけに、その存在も分からぬままで、もしやそのまま最終回まで行くのか?と思いきや、条映映画村の謎の振付師「サンタ黒須」として再登場!いよいよ佳境の始まり、乞うご期待!と言うことか?(原稿を執筆している今・2月27日朝)

 ところでいつもドラマを見て思うことは、あの時あの場面で何故そうしなかったのか?次の展開が大きく変わってしまう、主人公の人生を大きく変えると言うことだ。それを見た視聴者は主人公になり切って、喜んだり悲しんだり一喜一憂してしまう。これが映画やドラマ、舞台の醍醐味だろう。

 昔から、多くの映画・TVドラマ等々で人気を博したものには数々の出会いと別れがあり、視聴者はそれに一喜一憂する。昭和20年代のラジオ「君の名は」が始まる前には銭湯の女湯が誰もいなかった、と言うエピソードは有名だ。(私はかすかに覚えている)

 私の記憶をたどって恐縮ですが、「おしん」「男女7人秋物語」「冬のソナタ」・・・思い出すだけでも、そのシーンに感情が入り込んでしまう私は、あまり男らしくない性格かもしれない。10数年前「冬のソナタ」を見て涙している妻を見て「そんなに面白いの?」と始めは茶化していた私だが、一緒に見ながら「これでもかこれでもか」と言うすれ違いの場面では私はすっかり「ヨン様」妻は「チェジュ」になりきり怒り涙していた。ドラマが終われば、すっかり現実に戻って、たわいない夫婦喧嘩の日常の繰り返しだったが。

 翻って我が人生を振り返って「あの時のあの人は?行方知らず!」と言うことが圧倒的に多いのに気づく。それがドラマと現実の違いだろう。ドラマや小説は「起承転結」があって始めて成り立ち、視聴者の感動を呼ぶ。それが作家・脚本・演出家・監督の仕事だろう

 しかし最近、経営者の仕事もそれに似ている、と思うようになってきた。「筋書きのないドラマ」の演出家であり、その時その場で「ご利用者様・ケアマネさんに喜んでもらうには?」「これからの社会に必要な商品サービスは?」その答えを探して主役である従業員たちと議論して、会社の方向を決め、経営者のリーダーシップで組織一丸となって進む!

 私は「目立ちたがり屋」だが、あくまでも経営の主役は従業員だ。主役(従業員)の成長(教育)とJOB・T(弊社行動指針参照下さい)で素晴らしいドラマ(会社)を作り感動される(喜んでいただく)のための演出=経営者の仕事だと思う。

 先日「Come Come Everybody」を見終わって、「自分たちも、あの時あの出会いが無かったら、結婚もせずに、息子や孫たちもいなかったね。」と私が言ったら、妻曰く「その時は、素敵な彼氏と知り合って、今ごろは悠々自適で、かわいい孫たちに囲まれ、幸せな人生を送れたかも?」とさ。・・・こっちが言いたいわ!(怒)


「Come Come Everybody」より
算太(濱田 岳)と安子(上白石 萌音)

画像引用:朝ドラ「カムカムエヴリバティ」#カムカム(@asadora_bk_nhk)
ツイッター公式アカウント