元気通信#163「売上を最大に、経費を最小に」 

 数か月前、「卸仕入から自店商品へ」と言う社員の提案を受け、ご利用者様に新品を購入し、入れ替えを実施している。長期的に見れば原価を下げることで粗利益を上げることができると判断した。さらに今秋から福祉用具の値上げ情報も入った。恐らく今後はレンタル価格も流動的になるだろうし、柔軟に対応するためにも自店在庫を心がけたい。この値上げは30年続いたデフレ経済から新しい日本の先鞭を告げることになるかも知れない。

 10数年前、ダスキンヘルスレント事業(以下HR)導入で、数年で全社売上が3倍伸びたことがある。その時にしっかりとした利益体質の「強靭な会社」を構築すべきだったのに、そこに胡坐をかいてしまったことが非常に悔やまれる。今はその強い反省を糧に、もう一度「10年ビジョン」を掲げ、再チャレンジしているところだ。残された人生を賭して全力を尽くしたい。もう私には失敗は許されない。そしてそのポイントの第1は「売上を最大に、経費を最小に」で、これを徹底的に考え、実行することだ。

 2年前、コロナ禍でダスキンレントオール事業を撤退し、HRに絞り活路を求めた。倉庫移転やスタッフのHRの在庫状況や管理体制が明確になったことで、HRの実態を把握でき、上記のような「卸仕入から自店商品へ」と言う政策転換が可能になった。これも「何としても利益を出す!」との熱く強い思いが、私から社員まで浸透し、ベクトルが合った結果だろう。「経費を最小に」のテーマで「原価を下げる」に照準を当てたことは初めてで、会社の成長と言える。しかし裏を返せば、それまではど真剣さが徹底的に足らなかったと言うことだ。

 先日、中小企業診断士の方と話す機会があり「会社の強みは何?」と質問をいただいた。「ダスキンブランド」は大きな強みだが、まだ十分に活かせていないのが実情だ。ご利用者様やケアマネさん達に「ダスキンの強み」を肌で感じていただくような活動が、「売上を最大に」のポイントだろう。今として「オレンジ大作戦」をベースに、「源流大作戦」「絆大作戦」も静かに進行中だ。

 コロナ禍で会えないケアマネさんもいるが、今夏から感染対策を取りつつも、前向きな活動ができる環境になってきた。弊社でも「深掘り大作戦」の柱である「商品勉強会」を夏場から再開し、ケアマネさんたちに良い刺激をいただいている。日本の労働人口減少の中「福祉用具・福祉機器」の社会的役割はさらに大きくなる。今後の高齢化社会に貢献できる企業を目指し、一人でも多くの利用者様、ケアマネさんに喜んでいただきくように尽くして行きたい!


マリンポートから県庁を臨む 22年8月27日

雄ちゃんの今昔物語 VOL,97

「洗濯機」の変遷

 戦後昭和30年代を振り返れば、電気製品の進歩は凄まじかった。そういう時代をリアルタイムに経験できた「団塊の世代」の私たちは、否応なしに「将来もずっと成長する」と信じることが出来た、良い世代であり、また「科学偏重」の世代だったかもしれない。

 戦後の「三種の神器」は、テレビ・洗濯機・冷蔵庫である。子供たちに取ってはテレビの出現で生活が一変したが、この話題は次のテーマとしたい。主婦たちに取って、毎朝毎晩炊事・洗濯・掃除は重労働であった。特に洗濯は毎朝大変な作業であった。家族5人分を「たらいに洗濯板」を置き、固形石鹸でゴシゴシとこするのである。確か、小学5年(昭和35年)の家庭科で洗濯する姿勢が試験に出たので、その頃は一般家庭ではそれが主流だったはずだ。

 宮崎の青島に「鬼の洗濯板(岩)」と言う有名な海岸がある(下の写真参照)。洗濯機しか知らない若い人たちは何故「洗濯板」と言うのか意味が分からないかもしれない。私たち団塊の世代が「洗濯板」を知る最後の世代かもしれない。ちなみに岩が波に浸食されて「洗濯板」みたいにギザギザしているから命名されたものだ。


宮崎市青島「鬼の洗濯板(岩)」

 そんな我が家でも、私が小学6年の時に洗濯機を買って、母が最も喜んでいた。最初の洗濯機はローラーで衣類を絞るため、腕を力いっぱい使うので、時々私も洗濯機をガタガタ揺らしながら回して絞ったものだ。シャツのボタンが千切れたり、割れてしまうこともしょっちゅうだった。

 その後・昭和40年代になると、「二層式洗濯機」が普及した。私が就職して寮生活が始まったときは、週一回、彼女(今の愛妻)の住いに洗濯物を持ち帰り、彼女が月賦で買った「二層式洗濯機」で洗濯してもらったことは懐かしい。結婚後も福岡・鹿児島と大活躍してくれた。

 その後昭和60年代まで二層式洗濯機が主流だったが、脱水までやってしまう「全自動洗濯機」が次第に普及したが、ダスキンレントオールの家庭用レンタルでも「全自動洗濯機」指名が圧倒的だった。我が家でも「二層式洗濯機」が故障して「全自動洗濯機」に切り替えて久しい。

 最近はそれに加えて「乾燥」までする「ドラム式洗濯機」が主流になりつつあるみたいだが、我が家は昨年「全自動洗濯機」が壊れ、Yデンキに走ったが、さして不自由しない「全自動洗濯機」を購入し、今も夫婦2人分毎日活躍してくれている。

 洗濯機の歴史は、女性解放の歴史だと思う。昔は専業主婦が一般的で、炊事・洗濯・掃除という重労働を女性が担うのが普通だった。男女が当たり前のように共に働く現代は、炊事・洗濯・掃除の負担が半世紀前に比べ格段に減少したことが大きい。夫婦でそれを役割分担してこなして行く今の時代に「男子、厨房に入らず!」は死語になりつつある。しかしその教えを忠実に守り、料理が全くできない私は、妻や子供たち孫たちの冷たい視線を振り払い、今日も仕事に専念するのだ!